My Experience In Yemen

青年海外協力隊 コンピュータ隊員の活動日記。

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自国の常識は異国の非常識(イエメン隊員機関紙より)

過日、青年海外協力隊の活動報告を主眼に置いた
イエメン隊員機関紙Web版『アラージャンブ』を発行しました。
今回のBlogは機関紙の原稿からです。
(既にご一読頂いた方はご容赦下さい)

当機関紙は年に数回発行を予定しております。
受信ご希望の方は、下記サイトの下部に表示されている
メールアドレスまで、配信ご希望の旨ご連絡下さい。
http://kenic.web.fc2.com/

また、既にご受信頂いている方はお知り合いの方への
ご転送を歓迎しています。宜しくお願い致します。

---------------------------------------------------------
【女性と男性の日常】
『日本人の男が入って来るわよー!!』の声と共に、
女性達が走り回る音が奥の方から聞こえてから5分後、
ようやく女性部の事務所への入室が許可される。
ただし、事務所に入ってからも隣接している部屋間の移動の際は
大きな声を出してその旨を告げなければいけない・・・。

普段は男性のみが勤務する配属先で、
ネットワーク・データベースの環境整備やコンピュータ機器のメンテナンス、
それと平行してスタッフやエンジニアを対象としたコンピュータ教育を実施している。
もちろんここは男性だけなので部屋間の移動の際はなんら合図はいらないし、
たまに行く別の部署ではコンピュータのお悩み相談会が始まって
なかなか帰らせてくれないことすらある。
しかし、仕事で訪れる配属先の女性部の事務所ではそうは行かないのである。

女性部でのコンピュータトラブルが無事解決して、
その状況説明および各種設定を説明するにあたり担当のイエメン人女性に
パソコンの前に座ってもらう。しかし、その際その距離感を常に意識する。
出来る限り間合いを取りモニターをぎりぎり指差せる距離で話を進める。
同性同士では互いの頬をすり合わせて挨拶をすることがあるにも関わらず、
異性同士となるとモノの授受の際ですら互いが触れ合うことを避ける。
また、見知らぬ男女が街中で会話することなどあり得ず、乗り合いバスでも、
見知らぬ男女が隣接しないように女性がバスに乗り込んできたら席替えを行う。
これがイエメンの首都サナアにおける女性と男性の日常。


【理想的な女性像とは?】
イエメンはイスラム色が非常に強く、サナアでは成人女性のそのほとんどは
目しか露出していない。アバヤ(全身を覆う黒ずくめの衣服)と
ブルカ(目しか露出させない顔面を覆う黒い布地)を纏って町を闊歩している。
非イスラム教徒がその黒ずくめの女性を見て、
『抑圧されていてなんて可哀想に』と哀れみの思いを抱いている人が多いが、
果たして本当に彼女らは自分達のことを抑圧されていると認識しているのだろうか。

確かに、イスラム教の聖典コーランには、髪を隠せと書かれてはいるが、
目まで隠せとは書かれていない。家庭によって異なるが、
首都サナアでは早い子で小学校低学年くらいからブルカを纏うようになる。
そんな中、数年しか滞在していない異教徒の外国人が自国の文化と比較して
『かわいそうに』とか『ブルカを取ればいいのに』と
彼女達に対して言う事はなんとも安易な事だろうかと思う。

我々は、主に欧米における開放的な女性があたかも理想的な女性像となっているが、
敬虔なイスラム教徒として育った彼女らからすれば、
それはまさに非理想的な女性像となっている。小さいときから母親が姉が親戚が
そして何より自分自身がアバヤとブルカを身に纏い生活することが
当たり前の『生活習慣』になっているのである。
そんな彼女らは容易にブルカを取り去ることはできないのである。

しかし、そんな彼女達のアバヤやブルカを良く見てみると、
スパンコールを散りばめたものや、手の込んだカラフルな刺繍が入ったもの、
質の良い生地で作られたものを見かけることが良くある。
一見、我々からすると抑圧的で閉じ込められた環境に思えるが、
彼女らは彼女らで楽しみを見出しているようである。
その昔アバヤやブルカに装飾を施すなど考えられなかった。
しかし、異国の文化や時代の流れを受けて
彼女らが受け入れたものはそれだったのだろう。
『ブルカは脱がないが、脱がないなりに他を受け入れること』


【取捨選択するのは彼ら彼女ら】
今の配属先でも単純に日本文化と比較して異なることがいくつもある。
ほんの一例として・・・。
■仕事は分かる人が対応して、分からない事は全て他人に投げる。
⇒日本での前職の職場では、
 分からない事象に遭遇したらまず自分自身で調べて考える。
 それでも分からなければ分かる人に聞く文化だった。

■自分だけがその知識を抱えこんでしまうこと。
⇒日本での前職の職場では、その人の知識を文字に起こし、
 より多くの人にその知識を共有すべく取組む文化だった。

■違法コピーソフトウェアが当たり前だということ。
⇒日本での前職の職場では、著作権の関係上
 正規ソフトウェアを使用するのが当たり前の文化だった。

協力隊の活動をする上で、まずは日本文化を提示していきたいと思う。
例えそれがイスラム文化に反するものであっても。
そのあと、取捨選択するのは彼ら彼女ら。
たとえ全て取らなくてもその一部分でも受け取ってくれたら嬉しく思う。
そう、アバヤやブルカの装飾のそれと同じようになってくれたら・・・。

【写真1】・・・アバヤとブルカを纏った女性達
【写真2】・・・アバヤを纏う幼い女の子(右)
【写真3】・・・旧市街地にて
070220010.jpgP1010728.jpgCIMG5080.jpg

| 協力隊活動 | 02:47 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

To.まゆっぱさん
>宗教に縛られて暮らしにくそうに感じるのは、あくまでその宗教ではない人間の印象だと思います。
確かにそう思います。
どこかの学者のジェンダー思想を持ち込んで、
あたかもそれが世界のスタンダードだと言わんばかりに
その思想を押し付けようとする姿勢は疑問です。
開発・援助って何なんでしょう・・・。

>縛られていると考えるより、文化を重んじているその姿勢には感服します。
イスラムが出来た当時の生活文化と現代の生活文化は180度変わっているため、
信仰する上でも辛く、難しいことが多くなっていますが、
そんな中でもイスラム文化を重んじていることは本当に尊敬しています。
それこそ、生まれたときからイスラム教でないと難しいですよね。

>私の接しているシーク教徒たちも・・・
日本では宗教を敬虔に実践している人が身近にいなかったので、
イエメンではとても不思議に感じています。
日本では信教の自由を憲法で保障しながら、
実際に宗教を持っている人に対して毛嫌いする傾向が嫌いです。
自分は宗教を敬虔に実践している人は尊敬に値します。
自分がそこまでできないので・・・。


To.姫さん
>私のカウンターパートは男性なので、
>ともにパソコンの前に座るときの距離感はとても気になります。
特に女性は意識しないと相手が勘違いすることがありますよね。
オレに気があるんだみたいに。勘違いも甚だしい。。
自分の配属先にもそういう人がいますよ。

>イケメンの写真、お笑い芸人の「ホンコン」に似てますよ。
せっかくなら、二枚目俳優で似ている人を書いてくれたら
嬉しかったのですが、ホンコンって・・・。。
長澤まさみを14歳老けさせた的なそういう表現をお待ちしております・・・。

| KENic | 2008/05/24 19:43 | URL | ≫ EDIT

納得!

イケメン、元気そうですね。
私のカウンターパートは男性なので、ともにパソコンの前に座るときの距離感はとても気になります。私、みだらなことをしていないかしらと。
イケメンみたくシリア人の機嫌を損ねない程度に日本文化を提示していきたいです。

イケメンの写真、お笑い芸人の「ホンコン」に似てますよ。

| 姫 | 2008/05/23 05:24 | URL | ≫ EDIT

本当にイスラム圏ってすごいねぇ。
宗教に縛られて暮らしにくそうに感じるのは、あくまでその宗教ではない人間の印象だと思います。
JICAボツワナ事務所長は元イエメン調整員。
イエメンやシリアのお話をよく聞きます。
すると、アバヤにも隠れたおしゃれがあり、女性たちは制限された中でせいいっぱいのおしゃれを楽しんでいるとききました。縛られていると考えるより、文化を重んじているその姿勢には感服します。

私の接しているシーク教徒たちも、寺の中では頭髪を出してはいけないので、男性はターバン(これは日常的にやってます)、女性はスカーフをかぶります。寺での礼拝も男女別のスペース、食事も別の席です。職場ではインド人男性と話す機会しかないのですが、この寺での女性席のおかげでシーク教の奥さんたちのすぐ仲良くなれます。
シーク教徒は主にインドとパキスタンの国境に近い地域で信仰されています。
パキスタンはイスラム国、インドはヒンドゥーの国。シークはイスラムとヒンドゥーの中間の宗教です。両方の特徴を持っていて、おもしろいですよ。

| まゆっぱ | 2008/05/23 04:17 | URL | ≫ EDIT















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