前回のBlogの続きです。
配属先が変更(NGO → 省庁)になり、
ボランティア活動を通じて援助の必要性を感じることがあります。
それを下記に。
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■ ハードディスク(HDD)のフォーマット依頼が多すぎる
■ 故障部品の代替品申請・受取にかなりの時間を要する
前者については、
前職の日本で働いていたときでは考えられなかったことです。
なぜなら、一旦HDDをフォーマットしたら、一からまた必要なソフトを
インストール・設定しなければいけないからです。
PCに不具合が発生したら、HDDフォーマットせずに何とか修復しようと
必死になったものです。
後者については、
配属先では故障部品の『交換申請 → 受取』にかなり長い時間を要します。
2ヶ月前、経理部に購入申請をした部品は未だに来ていません。
当たり前ですが、日本の職場で2ヶ月間もPCが無いなど考えられません。
これらが言わんとしていることは、
PCありきの業務になっていないということ。
別の見方をすると、不必要なPC供与が行われているということです。
本来ならば、
既存または構築予定の運用システムから逆算して、必要なPC台数を算出し、
そしてその台数を援助するのがあるべき姿だと思います。(民間人の視点では)
しかし、現状はHDDをフォーマットすることや、
長期間PCが無くても業務に支障が無い人が多く居ることから、
必ずしもそのような援助にはなっていないようです。
例えば、『XXX国へPC100台供与。総額2000万円の援助。』と
文面だけ見れば援助としてすばらしい印象を受けるかもしれません。
しかし、実際は、
業務においてPCが不必要なユーザに供与PCが行き渡っているかもしれない。
メンテナンスが満足に出来ずに供与PCが物置に行っているかもしれない。
未使用状態で眠ったままの供与PCがあるかもしれない。
ということが往々にして考えられるのです。
大事だと感じていることは、その後のモニタリング。
もちろん計画はあくまで計画のため崩れることは十分に考えられます。
もし、その計画が崩れたならそれを建て直すための援助が必要でしょう。
しかし、残念ながら散見されるのは『やりっぱなし』の援助。
モニタリング(建て直し)無くして途上国が途上国から脱却できるできるのでしょうか。
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■ インフラの未整備
配属先は省庁と言えど計画停電が多く、
特に停電復旧時には一時的に高電圧が供給されるため
それが原因でPCが故障することが多々あります。
根本的な原因は電気の供給が追いついていないこと。
日本は発電から供給、つまり上流から下流まで整備されているため、
仮に、一時的(季節的)に電力消費量が増加しても、
電力の増産や他施設からの供給、他機関からの売買等で補うことができます。
しかし、イエメンの場合は上流部分が貧弱なため
下流への電送をストップすることで電力量をコントロールしているのです。
そのため、首都サナアと言えど頻繁に計画停電が発生します。
日本は、第一次産業→第二次産業→第三次産業と順に成長してきた経緯があるので、
今後、経済が発展しても過去に形成された産業地盤がしっかりしているため
柔軟に対応することが出来るでしょう。
他方、イエメンは第一次産業→第三次産業と成長してきているので、
経済が発展するにつれて歪が大きくなっていくのです。
(その代表例が上記で説明した電力。)
これらが言わんとしていることは、
援助すべきところはインフラ部分なのではないかということ。
別の見方をすると、PC供与はその次の段階であって
急ぐべきはインフラ整備・増強ではないかということです。
PCは電気を用いるため、電力消費の問題はより影響を与えることになるでしょう。
それに伴い更なる電力供給コントロール(計画停電)が発生するならば、
経済発展の妨げになることは明らかです。
例えば、『XXX国へPC100台供与。総額2000万円の援助。』と
文面だけ見れば援助としてすばらしい印象を受けるかもしれません。
しかし、実際は、
停電が多くそれが原因で供与PCが故障してしまっている。
インターネット網が貧弱なためデータ転送できる量が制限されている。
故障の際、都市部からの代替部品輸送に何日もかかってしまう。
ということが往々にして考えられるのです。
もちろん、デジタル・ディバイドの言葉が意味するように、
PCが使いこなせないことは格差から脱却することはできません。
しかし、一見遠回りに見えるインフラ整備・増強はその格差解消の
近道だと感じています。
【写真】・・・Blog内容と全く関係ないです。
成長した
ムハンマド・カーセム・ムハンマド・ホメイディー。 赤ん坊は良い表情を撮るのが難しいです。